「農業の担い手の平均年齢:67歳。10年以内に営農が困難になると考える農家:70%」
これは昨年奥能登を対象に実施された農業の現状調査の結果だ。
石川県では2008年度に「いしかわ農業人材育成プラン」を策定。消費者である県民を「農業を応援しようとするもの」、農産物の販売・流通にかかわる業者などを「農業を支えようとするもの」と位置付け、農家や就農希望者を含めて県全体で農業の活性化を目指すのが特徴。プランの具体化を進めるため今年4月、県農林水産部内に農業人材政策室を設置。さらに1993年に設立された(財)石川21世紀農業育成機構をリニューアルし、農業のワンストップ総合窓口として「いしかわ農業人材機構」が発足した。
同財団の参事兼統括コーディネーターの島田義明さんによれば、今年に入って相談件数は激増し、1日4~5人の相談者が訪れるという。多くは「農業法人に就職したい」「自分で農業を始めたい」というもの。島田さんは「農業が担い手不足に悩んでいるのは事実だが、すぐに就職口が確保できるか、希望する農地が見つかるかというと難しい」と前置きしながらも、情報の収集と発信、マッチングに全力を尽くしている。